血圧は一日の中でも変動していますし、日によっても変動します。血圧が高いといわれたら、まず毎日自分で血圧を測定すること(家庭血圧測定)が、今後の方針の決定にとても役立ちます。家庭血圧測定については当院にご相談ください。
血圧が高いと診断された場合、まず生活習慣の改善が必要です。一般的には、生活習慣を改善しても血圧が140/90mmHgを超える場合、お薬による治療を考慮すべきとされています。ただ、糖尿病や心臓病、腎臓病を患っているかどうかや患者さんの年齢などによっても治療を開始する血圧の基準値は違ってきます。詳しくは受診の上、ご相談ください。
血圧を下げるためには、
1)食事の塩分制限
2)野菜や果物をしっかりとる
3)食事のコレステロールや飽和脂肪酸の制限
4)適正な体重の維持(減量)
5)運動
6)アルコールの制限
などが有効と考えられています。ただ、糖尿病や腎臓病の方などでは、果物や野菜のとりすぎや激しい運動が、かえって健康に悪い場合もありますので、注意が必要です。
高血圧は、糖尿病や高脂血症と同様に動脈硬化を進める要因(動脈硬化の危険因子)であり、血圧の高い方は心筋梗塞や脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化性疾患がおこりやすくなります。
また、これとは別にも、高血圧が原因となって起こる病気は、脳卒中(脳出血)、動脈瘤、慢性腎不全(腎硬化症)、心肥大、心不全などがあります。
脈が飛ぶのは多くの場合、「期外収縮」という不整脈が原因で、いわば心臓が「しゃっくり」をしているようなものです。ほとんどが心配のないものですが、頻繁に脈が飛ぶ場合は、心臓超音波検査や24時間心電図(ホルター心電図)などの検査をお勧めします。
心房細動では、本来規則正しく拍動するはずの心臓の上部が「ぶるぶると振るえる」状態になっています。人によっては脈が速くなりすぎたり、遅くなり過ぎたりすることもあります。心房細動で何より恐ろしいのは、心臓の中で血液が固まりやすくなり、脳梗塞を起こす危険があることです。心房細動といわれたら、一度は循環器専門医への受診をお勧めします。
ホルター心電図は、携帯電話の半分くらいの大きさの心電図計を体に24時間装着することにより、不整脈や狭心症などを診断する検査です。24時間心電図を観察することにより、外来受診時の心電図検査では見つからなかった不整脈や狭心症が発見されることがあります。
携帯電話は22cm離れていればペースメーカーへの影響はないといわれています。また、万一携帯電話によりペースメーカーの作動に影響が出たとしても、一旦、携帯電話から離れてしまえば、その後ペースメーカーに影響が残ることはありません。
もし気分が悪いと感じることがあれば、まず携帯電話から少しでも離れてください。またペースメーカーは必ず定期的にペースメーカー外来等でチェックをお受けください。
ペースメーカーについてもっと詳しく知りたい方は、次のようなサイトもご覧ください。→ペースメーカーナビ
胸痛の原因には様々なものがありますが、最も注意が必要なものとして狭心症や心筋梗塞などの心臓病があります。狭心症や心筋梗塞は動脈硬化をもとにして起こってくる病気であり、重篤な場合は、生命にも関わります。
糖尿病や高血圧、高脂血症がある方、長年タバコを吸われてきた方、ご家族に狭心症や心筋梗塞の患者さんがいらっしゃる方などは、狭心症や心筋梗塞になる危険性が高いのです。
このような条件に当てはまる方で、一度でも胸の強い痛みを感じたことがあれば、循環器専門医に相談されることをお勧めします。
心臓は全身に血液を送り出すポンプの働きをする臓器ですが、心臓自身も血液によって栄養や酸素が供給されています。
心臓に血液を送る血管を冠動脈(かんどうみゃく)と呼びますが、狭心症や心筋梗塞は、動脈硬化によって冠動脈に血液が十分に流れなくなって起こる病気です。狭心症は、冠動脈がかなり細くなって血流が不十分になった状態です。運動の後など、心臓が普段よりたくさん血液を必要とするときに、胸に痛みを感じます。
心筋梗塞は、細くなった冠動脈が完全につまってしまった状態です。冠動脈が完全に詰まってしまうと、心臓の組織の一部が死んでしまい、心臓が正常に働かなくなります。狭心症は、いわば心筋梗塞の前段階ともいえますが、狭心症の症状なしに突然心筋梗塞が起こることもあるので注意が必要です。
狭心症や心筋梗塞は動脈硬化をもとにして起こる病気ですから、まず動脈硬化を予防することが大切です。冠動脈が細くなってしまった後は、冠動脈に管を入れて狭くなった部分を広げたり、手術でバイパスを作ったりすることもあります。