1.外出から帰宅時のうがい
インフルエンザはウイルスによって起こります。のどの粘膜にウイルスが付着していても、感染が起こる前ならうがいをすることによって、ウイルスを洗い流してしまうことができます。物理的に除去するために有効な方法です。また手洗いも有効とされています。
2.適当な湿度を保つ
空気が乾燥すると、インフルエンザウイルスの標的であるのどの粘膜の防御機構が弱くなり、感染しやすくなります。エアコン等のため乾燥しやすい室内では加湿器を使うことも有用です。
3.休養と栄養
疲れや栄養不足があると、インフルエンザが発症しやすくなります。日ごろの無理は禁物です。
4.マスク着用
インフルエンザウイルスはいわゆる飛沫感染で、感染者が咳やくしゃみをした際に飛び散るタンなどの分泌物にウイルスが存在します。外出時、特に人ごみの中へ出かけるときにマスクを着用することは予防に効果があるとされています。
5.ワクチンの接種
インフルエンザワクチンは、インフルエンザの発症するのを予防したり、かかった場合の症状が重くなるのを予防したりする効果が認められています。65歳以上の方、60歳以上で心臓病やじん肺のある方などは、インフルエンザにかかると症状が重くなりやすいので、予防接種法という法律でインフルエンザワクチンの接種が勧められています
。
インフルエンザワクチンは3〜4週間の間隔で2回受けないと十分な効果が出ないとされています。
13歳以上で、前のシーズンにインフルエンザにかかった方やワクチンを受けた方では1回でも予防効果が出るとされています。2007年は11月の終わりからインフルエンザが流行し始めました、インフルエンザワクチンはなるべく早めに打たれることをお勧めします。
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ノロウイルスは症状の強い胃腸炎を起こすウイルスです。ノロウイルスによる胃腸炎の主な症状は、嘔吐や下痢、発熱であり、11月から2月にかけての冬場によく流行します。インフルエンザと違ってワクチンや特効薬はなく、通常、下痢止めやむかつき止めなどのお薬を対症的に服用します。ノロウイルスは感染力が強く、患者さんの嘔吐物や糞便中には大量のウイルスが排泄され、ウイルスが経口感染することによって伝染します。
花粉症は植物の花粉がアレルギー源となっておこる鼻や目の炎症です。花粉症の原因として最も多いスギの花粉は、1月から5月にかけて多く飛散しますが、ブタクサやヨモギ類などの花粉は秋から冬にかけての飛散量が多くなります。ブタクサやヨモギ類などの花粉に対してアレルギーのある人は秋から冬にかけて花粉症が起こることになります。
どのような花粉に対してアレルギーがあるかは、血液検査で大まかに判定することができます。
花粉症に効果があるのは、「抗アレルギー薬」と呼ばれるお薬です。抗アレルギー薬は、花粉症症状が出始める1、2週間前から服用すると、より効果的とされています。花粉の飛散量が多くなり、抗アレルギー薬だけで症状が十分に収まらない場合は、点眼薬や点鼻薬を組み合わせてゆきます。
長引く咳の原因には様々なものがあります。肺癌や結核なども咳の原因となりますが、頻度としては多くありません。風邪の後に、咳だけが長く続くことはよくありますし、肺炎や気管支炎、咳が主症状となる喘息(咳喘息)、アレルギー体質によって起こるアトピー嗽そうなども長引く咳の原因となります。また、慢性副鼻腔炎の患者さんで鼻汁が喉に落ちる場合や、胃液の逆流なども咳の原因になることがあります。咳が長く続く場合はご相談ください。
出血、血液の病気、肝臓や腎臓の病気、その他の全身性の病気など、さまざまな原因で貧血は起こります。
貧血がみつかったときは、まずその原因を調べることが一番大切です。貧血を起こすような病気が特に見つからない場合、女性であれば、月々失う血液量に対して、十分なだけの鉄分が食事からとれないためにおこる「鉄欠乏性貧血」の可能性が高いといえます。一旦、「鉄欠乏性貧血」になった場合、食事に気をつけるだけで貧血を改善するのは困難で、鉄剤(吸収しやすい形の鉄分を含むお薬)を飲む必要があります。
甲状腺は、のどのすぐ下前方にある甲状腺ホルモンというホルモンを分泌する臓器です。甲状腺が腫れて大きくなっても、病的な意味がなく、放置しておいても良いもの(単純性甲状腺腫)も多いのです。
一方、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺炎、甲状腺腫瘍などの病気でも甲状腺は腫れます。甲状腺が腫れているといわれたら、甲状腺ホルモンなどの血液検査と超音波検査での甲状腺の観察をお勧めします。
呼吸した空気が肺の中まで取っていく通り道を「気道」といいます。
喘息の発作では気道が一時的に細くなるため、呼吸した空気が肺まで届
かなくなって息苦しさを感じるのです。
最近、喘息は気道の慢性的な炎症をもとにして起こることが解ってきました。
そこで、喘息発作を予防
するためには、まず「気道の炎症」を治すことが最も大切と考えられています。気道の炎症を治すためには、吸入ステロイド剤が最も有効で
す。
吸入ステロイド剤を持続して使用することにより、次第に気道の炎症が抑えられ発作がおきにくい状態になります。喘息の治療では吸
入ステロイド剤を基礎治療として行った上に、症状の強さにあわせて、ロイコトリエン拮抗薬や気管支拡張薬(β2刺激剤やテオフィリン製
剤)、抗アレルギー薬などを組み合わせて治療します。
気管支拡張薬などは発作(症状)が起こったときに抑えるためのお薬ですが、吸入ステロイド剤やロイコトリエン拮抗薬は慢性炎症を鎮めることにより、喘息自体を治療するお薬ということができます。